「コーヒーを飲むと脳が元気になる」皆さんはこんなことを聞いたことがありますか?
食後の一杯やティータイムのお伴として…コーヒーを飲むと、気分転換になるということは多いですよね。実はコーヒーを飲むことが、意外にも脳に様々な影響があり、コーヒーの飲み方、種類もそれに影響するというのです。今回はコーヒーと脳の関係について、みていきましょう。

食後のコーヒーは脳にも良い!?
ランチのあとはどうも眠くなってきますが、これは胃腸を動かすために血液が脳から胃腸のほうへ集まってしまうためだと考えられています。そんな眠気予防にコーヒーに含まれるカフェインが有効なのは皆さんもご存じの通り。
カフェインは、脳の中で働く睡眠物質の「アデノシン」が細胞に作用することを邪魔して眠気を減らします。また、脳の「報酬系」という部分を刺激するので、起きているのが楽しく何となくハイな気分にして覚醒度を上げてくれます。これが、カフェインが眠気を取ってくれるメカニズムです。
では、いつコーヒーを飲んだら効果的なのでしょう?夜の睡眠に悪影響を及ぼさないために、昼寝は30分以内が勧められています。一方、カフェインを摂ってから覚醒効果を発揮するまで、30分のタイムラグがあります。ですから、昼寝を30分で切り上げて、しかもスッキリと目覚めるためには、昼寝の前にカフェインを摂るのがベストでしょう。

また高齢になってくると、食事性低血圧ということが起きてきます。これは食事をすると血圧がひどく下がってしまうので、脳へ血液が十分にいかなくなって、ぼーっとしてしまう症状です。この予防に、食事の前後にコーヒーを一杯飲むといいのです。

コーヒーというとリラックスのために飲むものと思いがちですが、カフェインの作用には血管収縮作用もあるので、血圧が下がり過ぎるのを抑えるのです。ランチのあとの一杯のコーヒーは、そういう理由からも良いものと言えるでしょう。

コーヒーの種類で影響が違う!?
杏林大学医学部の古賀良彦教授の研究で、コーヒーの種類によって、脳への影響が違うことがわかっています。 グアテマラ、ブルーマウンテンでは、脳波でリラックスを示すアルファ波が増え、集中力を脳波でみると、ブラジルサントスがもっとも強く表れたとしています。これらは香りの効果なので、コーヒーが苦手な人も、香りを嗅ぐだけでも、脳を元気にしたり、リラックスできるのです。普段あまり意識しない嗅覚もコーヒーで刺激してみましょう。
コーヒーの飲み方でも脳活性化♪
コーヒーを好きな人は、コーヒー豆や淹れ方にこだわるものです。物事にこだわることは、自分の行動を意識して行うことですから、それは脳にとって非常にいい刺激になります。出されたコーヒーをただ飲んでいるだけでは、水分の補給と同じになりかねません。どこのコーヒーなのか、どんな淹れ方なのか、じっくり味わうこと、これだけでも脳を刺激していきます。

すこし面倒ですがエスプレッソマシンを使ってコーヒーを飲むというのもいい方法です。というのも、仕事とはまったく関係のない行動を数分間行うことで、仕事では使っていなかった脳の場所を刺激して、脳にリセットをかけることができるからです。ですから自分なりの手順でコーヒーの飲み方を工夫してみましょう。コンビニでコーヒーを買うとしても、新しい製品を飲んでみるということで、新しい香りが新しい体験になっていきます。
日常の中のほんのちょっとした気分転換が、意外にもアイデアが出る瞬間になるのです。